共和国の戦士

ハヤカワ文庫
ティーヴン・L・ケント
嶋田洋一 訳
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内容はベタな宇宙の戦士物。
なんでこう、海兵隊好きなんだろうね、この手の作家は。
ストーリーは超中途半端で終わってて全くスッキリしない。
序盤はせっかくちょっと面白いのにね。


クローンの倫理観や自己同一性についてはもっと色々掘り下げ方があると思うんだけど、まぁ特に何もない。
政治的な話も、なんかこうスターウォーズシリーズ(映画版しか知らない)みたいな感じで微妙。
それぞれの連中の背負った惑星環境の話が非常に薄っぺらい。ハイペリオンシリーズの重厚さには全く程遠い。
そこまで行ってもまだ米国(文化)が世界支配してる前提ってのがまたこの著者の品の無さを強調している。



リアリティに関して。
大体だね、主人公である海兵隊は赤外線スコープを装備しているのに、SEALsは装備してないって、そりゃあり得ないでしょ。
なんでより良い装備をしているはずの特殊部隊がそれを持たないのか、さっぱりわからない。
リアリティが全くない。


P541の訳者あとがきから抜粋。

 ほかにはGears of Warというシリーズの二巻めを書き、テレビ・ゲームに関するノンフィクションも数冊ものにしている。

えーと、そもそもGears of Warシリーズがどんだけビッグタイトルかわかってるんだろうか?
なんかさっぱり理解せずに書いてる予感がするよね。
しかも、検索するとKaren Travissという人がノヴェライズしてて、Steven L. Kentはこのクローンシリーズと、ゲーム史の本しかない。Gears of Warにはかかわってるのかすらわからない。
ちなみにWikipediaはこちら。
http://en.wikipedia.org/wiki/Steven_L._Kent
まぁ、ゲームの脚本書いてるにせよ書いてないにせよ正直、この訳者は投げやり過ぎる。文章も面白くない。
クソだ。


どうもこの翻訳家、カリン・ロワチーの「戦いの子」の訳をやった人らしい。
この人の訳してる本は外ればかりの気がするのでもう買わない。多分。