サーバー/サーバ論争

Wikipediaの「ノート:サーバ
長い。長すぎる。
個人的な見解をまとめてみよう。

1.論点

Wikipedia上での表記ルールは下記の通りとなっている。

詳細はWikipedia:外来語表記法をご覧ください。

外来語の表記は、内閣告示「外来語の表記」(平成3年2月)に従います。同告示は、慣用表現を尊重していることに留意してください。

・外来語は原則として片仮名表記。
 ・たばこ、かるたなど、外来語として強く意識されない言葉は、平仮名表記します。
・もとの外国語が同じでも、仮名表記の違いで日本語上別の意味に用いているものは使い分けます。
 例: ステッキとスティック、トラックとトロッコ、チョークとチャコ
・専門用語は、その分野での扱いに従います。
・長音記号「ー」は要否が不明確ならば、付ける方向で統一します。
外国の人名については#人名を、地名については#地名を参照してください。


論点になりそうな部分に(a)〜(c)を振る。

(a)「外来語の表記は、内閣告示「外来語の表記」(平成3年2月)に従います。」
(b)「・もとの外国語が同じでも、仮名表記の違いで日本語上別の意味に用いているものは使い分けます。」
(c)「・専門用語は、その分野での扱いに従います。 」


(a)はタイトル直下にありますが、(b)、(c)は一段下げられている。
ぱっと見た感じでは、(a)が原則で(b)は例外のように取れる。



2.各項目の分析

(a)「外来語の表記は、内閣告示「外来語の表記」(平成3年2月)に従います。」

下記「外国語の表記」の関連個所を引用する

3  長音は,原則として長音符号「ー」を用いて書く。
〔例〕 エネルギー オーバーコート グループ ゲーム ショー テーブル
    パーティー
    ウェールズ(地) ポーランド(地) ローマ(地) ゲーテ(人)
    ニュートン(人)
  注1 長音符号の代わりに母音字を添えて書く慣用もある。
    〔例〕 バレエ(舞踊) ミイラ
  注2 「エー」「オー」と書かず,「エイ」「オウ」と書くような慣用のある場合は,
    それによる。
    〔例〕 エイト ペイント レイアウト スペイン(地) ケインズ(人)
       サラダボウル ボウリング(球技)
  注3 英語の語末の‐er,‐or,‐arなどに当たるものは,原則としてア列の長
    音とし長音符号「ー」を用いて書き表す。ただし,慣用に応じて「ー」を
    省くことができる。
    〔例〕 エレベーター ギター コンピューター マフラー
       エレベータ コンピュータ スリッパ


「ただし,慣用に応じて「ー」を省くことができる。」が採用されるかどうかが論点になる。


結論「慣用に従う」

(b)「・もとの外国語が同じでも、仮名表記の違いで日本語上別の意味に用いているものは使い分けます。」

仮名表記の違いで意味が異なるといえば、下記のパターンが思いつく。
・サーバーはコンピュータが関係しないもの(例:ビールサーバー)
・サーバはコンピュータが関係するもの(例:データベースサーバ)
一方で一般向けのレンタルサーバー等、コンピュータ関係でもサーバー表記を用いている場合もあり、本項は適用不可能と考える。


結論「適用除外」

(c)「・専門用語は、その分野での扱いに従います。 」

「専門用語」の判断基準がない為適用困難な基準である。
以下二つの選択肢が考えられる。
(イ)サーバー/サーバは専門用語であり、その分野の慣用に従う。
(ロ)サーバー/サーバは専門用語ではなく、本項は適用できない。



結論(専門用語と証明可能な場合)「その分野の慣例に従う」
  または(専門用語ではないと証明可能な場合)「適用除外」

3.結論

(a)「慣用に従う」
(b)「適用除外」
(c)(専門用語と証明可能な場合)「その分野の慣例に従う」
  または(専門用語ではないと証明可能な場合)「適用除外」

となります。
(a)は原則であり、(b)の基準は対象外の為意識する必要がなく、(c)は専門用語か非専門用語かにより判断が分かれることになる。

専門用語か? 扱い
はい その分野の慣例に従う
いいえ 慣例に従う


「特定分野に依らない慣例」であろうと、「コンピュータ分野の慣例」であろうと、慣例は「サーバー、サーバ双方を使用する」という状況であるので、少なくとも今回検証した範囲のWikipediaルールでは決定が不可能ということになる。
よって、「Wikpiedia世界上のルールか判例をみつけてくるか、あるいは新たに作る必要がある」というのが結論。



A.参考

議論の中で出てきているJIS規格は以下のもの。

http://www.jisc.go.jp/app/pager?id=19100
規格番号 JISZ8301
規格名称 規格票の様式及び作成方法
最新改正年月日 2005/03/20

検索はこちらから行える。
日本工業標準調査会:データベース検索-JIS検索

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G.6.2 外来語の表記
 外来語の表記は,主として“外来語の表記(平成 3.6.28 内閣告示第二号)”による。片仮名書きの外来
語を用語にすることは極力避けなければならないが、やむを得ず採用する外来語の表記についての詳細は,
次による。

この下にa)、b)とあるが飛ばし

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